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これまでにお寄せいただいた、たくさんのご質問の中から、
10件ピックアップしました。
とくに「 ( 似たご質問が ) 多かった順 」とか
「 新しい順 」ではありませんが、
そのときどきに、お答を一生懸命書いたので、
なにかのご参考になればうれしいです。
ただ、す・ご・く・長・い ! ので、お時間のあるときにどうぞ ♪
ピアノの買い方
Q. ピアノがすぐに必要です!
でも、楽器のことはあまりよく知りません。
どうしたら、早くお値打ちに、良いピアノが手に入りますか?
国産アップライトが希望で、できれば長く使いたいです。
資格試験に向けて、すぐに練習を始めたいですが、
今すごく忙しくて、楽器探しの時間がなかなか取れません。
A はい、承りました。
大急ぎで、リーズナブルに、レッスン用ピアノを
準備されたい、ということですね。
それでしたら、次のような方法があります。
( 以下は、わたしたち販売店の動きです )。
メーカー (と、お決まりでしたら機種 ) をご指定いただく。
Q. 輸入ピアノを買うとしたら、中古ってどうですか?
新品は、毎年どんどん高くなってる、って本当ですか?
A はい、本当です。
「 毎年、どんどん、高く 」って、非常に正確です。
ただ、その具体的な数字の動きについては、
新品でも中古でも、
メーカーや機種、購入時期や支払方法などによって、
ほんとにケースバイケースなので、
お目にかかった時に、
過去の資料( 残念ながら、その多くは、年々右肩上がりになっていく価格表です! )
などをお見せしながら、PCや電卓を使って、
くわしくご説明いたしましょう。
それで、あくまでも一般論になりますが、それでもよろしければ‥‥。
( そもそもですが )、本格的なヨーロピアンピアノは、
高品質な天然素材を用い、
伝統工法によって緻密に造られているので、
とても耐用年数が長く、
たとえば19世紀に製造された楽器でも、堂々と現役で、
「 いぶし銀の音色 」と称えられて、音源収録に珍重されていたりします。
そして、ピアノ業界というのは、生産者側の変動も激しいところで、
( それで、いわゆる「 老舗 」の存在感が増していくのですが )、
メーカーの吸収・合併や統・廃合、
機種の改定や生産中止などが、かなりあります。
そうするとどうしても、
年々入手困難になる一方の楽器とかが出てきますが、
( それは「 骨董品 」としてではなく実際に演奏されるためで、
それは、世界中のプロの音楽家、趣味の愛好家のみなさんに、
さまざまな音のお好みがありますから )、
稀少性が増すほど、市場の流通価格は上がっていきます。
また、もっと最近の中古ピアノの「 値上がり 」についてでしたら、
そうですね‥‥、
最近だと、こんなことがありました。
先日、以前、うちから、輸入ピアノをご購入くださった方のもとへ、
いつもの定期調律でおうかがいした折に、
「 ところで、今これを買うとしたら、おいくらですか?」
と尋ねられたのです。
それは、若干のモデルチェンジはあっても、
ほぼ 現行機種に対応するものだったので、
すぐにお答えすると、とても驚いておられました。
2000年代初め、その方がご購入になった際の価格は、
その半分以下でしたから。
つまり、かるく 倍以上に値上がりしたわけです。
‥‥この20年間、わが国において、
給与水準や銀行利息など、
他の数字の動きはどうだったでしょうか?
国内に限らず、最近は世界中で、
ヨーロピアンピアノの資産価値としての側面
( なにせ 値上がりする一方ですから‥‥)
が見直されているのも、あながち根拠のないことではありません。
投機対象となってさらに価格高騰など、
全くご免こうむりたい話ですが、
実際、世界では、一部にそういう動きが出ている、と聞いておりますし‥‥。
近年の国内経済の動きとも合わせ、複雑な気もちになってしまいます。
あと、弾かれなくなったときの
「買取り価格」について ですが、
ご存知のように、ほとんどの 国産ピアノでは、
残念ながら相場がとても安いです。
( 逆に、運賃を含めた 解体・処分費用が持ち出し
になることも多いです )。
輸入ピアノの場合、通常は、「 市場に出して再流通させる 」ことが可能です。
その具体的な数字については、
そのピアノの基本情報( メーカー・機種、製造年度、内部機構・外装の程度、
メンテナンスを含めた使用状況など )のほか、
そのときの市場動向( 活気 )、その機種の人気度や普及度など
によって決まってきます。
本当にケース・バイ・ケースなので、
くわしくお知りになりたい場合は、どうぞお気軽にお尋ねください。
Q. 輸入ピアノはとてもデリケートだと聞きました。
梅雨とか猛暑とか、日本の気候には、合わないんじゃないかと心配です。
A なるほど、ご購入後の、環境への適応について、ご心配なのですね。
そうですね、輸入ピアノはたしかに敏感ですが、
寒い国から暑い国まで、
世界中の一般家庭で使用されておりますし、
わが国においても、通常の室内環境でしたら、
ふつうはあまり問題ありません。
ただ、ヨーロッパから持ってきた直後は、若干 不安定さが見られる場合もあります。
( 個体差が大きいので、全てがそうなるわけではありません )。
そのような、移動直後 ( お引越しなどの後も含めて ) には、
ピアノが 新しい環境に慣れるまで、どうか見守ってやってください。
やがて周囲になじんでいきます。
その感覚は、「生きものの世話をするような」といえば近いかもしれません。
そして、その「生きもの」とは、
動物ではなくて「植物」、
草でなくて「樹木」、
つまり、ロングスパンで見てゆく感じなのですが‥‥、
それは理由のあることで、
「 ピアノという楽器は、かなりの部分が木で出来ている 」からです。
もちろん、金属のワイヤー( ピアノの弦 ) やフレーム( 弦を張る頑丈な枠)などもありますが、
木は、アクション( 内部にある、音を出す仕組み )や
響板 ( その重要性から、「ピアノの心臓」と呼ばれています )、
ケース ( 外側の箱 )、鍵盤 など、多くのところで、大切な働きをしています。
よく、「ピアノに快適な環境は、人間に心地よい環境」
といわれますが、
それを数字であらわすと、
「 室温 20度前後、湿度 50%前後( ±20% )」で、
「 冷暖房・除湿など必要なときには空調を使う、一般的な室内環境 」になります。
そんな場所ではピアノも元気です。
‥‥生きものみたいでしょう?
年間を通じてその辺りを維持できれば、まず問題ないですが、
( ピアノに限らず )たいていの楽器類は、
● 空調機の真下、ヒーターの真横などの「急熱・急冷」、
● 雨の日の開放した窓やストーブの側などの「過湿・過乾燥」
は苦手なので、その辺りは避けていただくことも大事なポイントです。
なお、日本の気候には、
春から夏にかけて雨が多く、
冬に乾燥する ( おもに太平洋側で、日本海側は別です)、
という季節変動があります。
ご存知のように、木は湿気を含むと膨らみ、乾燥すると縮みます。
押した鍵盤が戻ってこなくなったり、音色やタッチにばらつきが出る、
などのトラブルは、そうして発生しますが、
状況によっては、一時的に強く、また繰り返して起こることもあります。
そうしたとき、問題発生の直接的な原因は、本当にまちまちなので、
解決には、ピアノを設置している現場を見せていただくことが、
一番確実で早いです。
何度も続けて起きるようなら、
● 加湿・乾燥機 ( 室内に設置します )、
● ダンプチェイサー( ピアノの内部に入れる湿度調整器です )
など、補助器具の導入を検討しますが、
これらを使うと、かなりの確率で改善します。
わたしは毎年、北海道から九州まで、
人よりも「 熊 / 落石 絶対注意!」( ‥‥どうしたら、いいですか?)標識の方にたくさん出合う、
深い山の中、離島から、日本海側の豪雪地帯まで、
たくさんのご納品先を定期調律で廻っていますが、
皆さま、ふだんの生活の中で、輸入ピアノを楽しんでいらっしゃいます。
「 ヨーロピアン・ピアノと共に暮らす 」という感じで‥‥、すてきです。
きっと、お宅でも大丈夫だと思いますが、
もしご不安でしたら、またご相談くださいね。
Q. 弾かなくなった輸入ピアノを処分したいのですが、
具体的にどうしようか、迷っています。
Q. ピアノの調律って、年に1回するものですか?
Q. 豪雨被害に遭ってしまいました。
建物修繕のため、ピアノをすぐにどかさないと!
それから、工事中もどうしよう??
Q. 分割払いって、どうですか?
ローンって好きじゃないから、
やっぱり、貯金してから、買おうかな‥‥。
Q. 最近、輸入ピアノに興味があります。
でも、種類がたくさんあるみたいで、それぞれの違いとか、どれを選べばいいかとか、よくわかりません。
ピアノはもう大好きですが、高い買い物だから、失敗したら怖いし、絶対間違えたくないし、どうしようかな‥‥。
そもそも、ピアノ選びって、どこから始めたらいいですか?
‥‥ また、こういう悩みって、どう思いますか?
みなさん、やっぱりそうですか?
なんだか、迷ってばかりなので、やっぱり基本のところから知りたいです。
役に立つヒントか、アドバイスをください!
A うーん、まずは、急がれないことですよ。
こういう事で あせったって、ロクなことはないです。
それは大前提として、次をお話しますね。
( うーん、難しい ‥‥‥)。
まず、音の好みは、香りや味わいの好みに似ています。
( 五感といいますしね )。
香水や料理で、「 あ、これ、好きだな 」と思うことがあるように、
ピアノの音色や響きについても、
「 ! 」という発見
の訪れるときがあります。
素晴らしい瞬間です。
しかし、それは、新しい出逢いから生まれるものなので、
その機会というか、チャンスが必要です。
( もしかしたら、とてもたくさん必要かもしれません )。
新しいものは不安です。慣れたものは安心です。
でも、あらかじめ、すべての答がわかっていたら、
人生は、どれほどつまらないものになるでしょうか。
「 !! 」
‥‥一瞬後には、「 気づいてしまった 」
新しい自分がいる。
そこに理屈はありません。
「 これだけが正解 」という、絶対の基準もありません。
花のなかで、
ユリに魅力を感じる人、バラが最高だと思う人、スミレがいちばん好きな人、
それぞれいるのと同じです。
束縛から解放されて、
あなたは自由。
それが、芸術の世界です。
心からやすらいで、没頭できる、なにか。
誰がなんと言おうとも、あなたが、それを好きなら、好き なのです。
‥‥逆に、あなたが、「 わたしの音 」と感じないなら、
どんなに高い楽器でも、「 あなたのピアノ 」にはなれません。
で、それはそれで「 まるごとOK!」なのですが‥‥、
そこにお金がからむと、とたんに話がややこしくなってきます。
運が悪いと、あなたを利用しようとする人まで出てきたりします。
ピアノは、花や香水とは比較にならないほど、高価ですから。
あなたのペースを無視して、決断をあせらされたり、
ついには酷い品を押し付けられたり。
そんな時‥‥。
「 ちょっと待って、一目惚れはいいですけど、それ、ぼったくりですよ!
( 価格と品質が、ぜんぜん釣り合っていません )」
「 いやいや、そっちは外装サギですよ!
( パッと見はいいけど、中味はボロボロですから )」
と、落ちついて、冷静に、第三者的立場から、「 転ばぬ先の杖 」になってくれる
ツッコミ役がいるといいですよね。
わたしは、社会において、専門家の役割のひとつは、それだと思っています。
まあ、そもそも、そんなピアノに「 近づける 」段階で、すでに危ないですよ。
本物のプロなら、ぜったい避ける界隈ですし、ご依頼の あったお客さまは、しっかりと守ります。
そうですね、たとえば‥‥。
ピアノはかさばりますから、メーカー・機種・サイズ・デザイン・カラーなど、
さまざまなお客さまのご希望に対応できるだけの台数を、
一度に店内に揃えておくことはむずかしいです。
それで、ご希望にマッチしたピアノのある所へ、
お客さまをご案内するわけですが、
そこは、新品なら、メーカーのショールームだったり、
荷ほどきして調整中の工房だったり、
中古なら、卸の店頭だったり、
業者共通の倉庫だったりします。
また、個人のお宅のこともあります
( オーナー様が、買い取りではなく、直接の売却をご希望の場合で、
多くの場合、状態の良さとお値打ち価格が魅力です )。
もちろん、全部きちんとした、信頼できる楽器を置いてある所ばかりなのですが、
さて、そうした場でも、お客さまは、
言いづらいとお感じになることは、何もおっしゃる必要はありません。
ご質問などはご遠慮なくどんどんしていただいて、
でも、「 うーん、なんかちがう~ 」と思われたら、
にっこり( だって、ここの次の入荷で、いいのが入るかもしれませんよ?)、
黙って退出で、ぜんぜん大丈夫です。
( まちがっても、「 向こうの人と一緒」になって、
あなたを「 囲んだり 」はしません! ) 。
外に出たら、ご感想を教えてください。
そして、お疲れでなければ、次のところへ行きましょう。
そこでもピンと来なければ、また次へ
( もちろん、日を変えるのもアリです )。
断りはすべて、後でこちらから入れます。
つまり、面倒なことは丸投げでいいのですよ。そのためのプロです。
あなたが、ひたすら集中して、ピアノだけに心を向けられるように。
さて、話は最初に戻りますが。
ピアノ選びのコツとして、まず、
「 あせらないこと 」と申し上げましたよね。
「 あせらない 」といえば、こんな経験があります。
それはですね、
ピアノ選びに、うちで、今まで一番長くかかったお客さまの話です。
その方は、月をまたぎ、年を越えて( ホントに何度も越えて )‥‥、
最近どうしてらっしゃるかなぁ、と思う頃、( それは、「 たぶん、よそで ご購入になられて、今頃きっとお幸せに‥‥ 」と思う頃 )、
いつもいらっしゃって‥‥‥‥。
ある日ある時 パッとお決めになったので、わたしは「 まさかの一目惚れ 」の現場を目撃しました。
それは、初めてお目にかかってから20年近く後で
( 赤ちゃんならすでに成人 )、
その間、店の住所は2回替わりました。
それからというもの、
「 あらゆるご対応の場面を、短く感じるように!!」
‥‥とは言いませんが、
その方が、愛しのピアノと 今もとってもお幸せそうなので
( それがというか、それだけが大事ですよね )、
「 そのお客さまらしさ 」を最大限にリスペクトし、尊重することを学びました。
‥‥と、ついでですが。
長年のそんなこんなで、
うちは「 オンリーワンの店 」なので、
このHPの表紙にも書いておきました。
お客さまも、店も、わたしも、オンリーワン
その昔、
「 世界中 ( 天上天下 ) 、ぜんぶそうで、
だから あたりまえに、大切なんだよ 」
と、目覚めた人が、人生のスタートに右手を上げて
( なぜ?)、
最優先事項として、まず教えられたそうで‥‥。
いつも忘れないように。
( ただし、わたしは、なにかの教団の人間ではありません、念のため。
‥‥こうお断りしとかないといけないほど、最近は物騒なのが、またちょっと‥‥)。
ところで、話は変わりますが、
「 ザ・キャッチャー・イン・ザ・ライ
( 邦題「 ライ麦畑でつかまえて 」)」
という小説をご存知ですか?
大昔に読んで、すでにうろ覚えなのですが、
主人公の家出少年は、
ジャングルみたいな20世紀半ばのアメリカ社会を旅して、
さまざまな人たちと出逢いつつ、ラスト近くで、こう思うのです。
「 ライ麦畑で、こどもたちが、遊びに夢中になってたら。
気づかずに、崖から落ちてしまうかもしれない。
その前につかまえる( キャッチする )役の人になりたいな 」、と。
「 無邪気にただ遊んでいる 」側から、やがて「 見守る 」側へ。
つまり、「 子どもが大人へ成長していく話だな 」と、
若い頃は単純に思っていました。
‥‥でも。
だんだん、
「 本当は、だれもが、だれかの “ キャッチャー ” なんだ 」
とわかってきました。
うちには、医師や大学教授など、高度に専門的な職業の皆さまもお越しですが、
ピアノのメカニズムについては、わたしの方がくわしいです。
でも、そうした方々が、
日々精魂を打ち込んで( 次々と限界突破して)おられる分野について、
わたしは何も知りません。
また、たとえば、植木の世話についての知識だと、
お隣のおじいちゃんに、わたしが勝てる要素はゼロです
( 春に美味しい桃、秋に甘い柿をくださいます )。
‥‥人生の中では、親になるとか、部下をもつとか、
いや、同僚とか友だちとか対等な立場であっても、
「 見守る 」状況になることがあるし、
「 見守られる 」立場になることもある。
‥‥具体的に特定の相手がいなかったとしても、
「 仕事 」についている全ての人は、
それを通して、すでに「 知らない誰か 」を守っている。
( もちろん、「 仕事 」というのは、「 お金を稼ぐこと 」に限りません。
というより、「 そうでないこと 」の方が多いと思います。家事や子育てもふくめて )。
‥‥みな、それぞれのフィールドでは、「 凄腕のキャッチャー 」で‥‥、
社会はそうして動いているんだな。
‥‥本当は、
誰もが、ふだんは
「 遊びに夢中なこども 」で、
誰もが、自分の専門分野では
「 見守り、助けるおとな 」で‥‥、
つまりは、みな「 お互いさま 」なんだな。
と、仕事柄、たくさんの方々とお話ししていくうちに、よくわかってきました。
また、もし、そうでなければ、
人類はここまで生き延びてこれたかな?
とも、感じました。
「 負うた子に教えられる 」といいますが、
世代の積み重ねの上に立って、目線が段々と高くなる分、
視野も広がってくるみたいですね。
今、若い人たちから、新しい物の見方
(「 白熱教室 」で、サンデル教授が指摘されたような )が広がってきて、
かつて一世を風靡した「 自己責任 」という言葉も、意味が見直されてきたように。
まあ、「 ライ麦畑 」の物語そのものは、
まるっと、当時の知的な高校生が感じた
「 欺瞞的な社会と大人たち 」への
「 反発と嫌悪感でいっぱい 」の文句の山
という感じで、読んでてそう楽しかった記憶もなく、
なんだか、はっきりしたストーリーも思い出せません。
( その後、J・レノン射殺犯やアメリカ大統領狙撃犯の愛読書とも、
報じられましたよね‥‥ )。
変わらぬベストセラーなので、これから読まれる方もいらっしゃるでしょうが、
多くの皆さまは( わたしと同じように )、
「 いや、崖から落っこちそうなのは、まず、主人公? 」と思われるかも。
ただ、「 キャッチャー 」のくだりだけは、強く印象に残っており、
今なお美しく、共感できるのです。
というわけで、わたしの「 ライ麦 」は「 ピアノ 」なので‥‥、
今日も、畑にいるのでした。
さて、あとは、と‥‥、
「 なんで、『 代わりに断る 』と、『 守る 』ことになるの?」
と、疑問に思われたかもしれませんね。
それは、ですね、
わたしのフィールド( ピアノ、とくにクラシック )には、
静かで、やさしい方が多いからですよ。
‥‥一定の場面では、ご自分のお気持ちをのみこんでしまいがち、というか、
人前では、一歩引いてしまいがち、というか。
「 断る=相手の頑張り・熱意をムダにする 」とお感じになって
( 本当は、そんなことをお気になさる必要は、ぜんぜんないのですが )、
気持ちが萎えて、それをまた、
ご自身で苦になさってしまう、
繊細で、思いやりの深い方々です。
それは、男性でも女性でも、どちらにも属さない方でも。
また、年齢にもよりません。
‥‥わたしは、もともと好みがうるさいたちだから、
気に入ったピアノが見つかるまで、長くかかりそう。
‥‥でも、「 次々に試せば、結果的に、次々と断りを入れなくちゃ 」と考えたら、
気が重くなってしまって‥‥、
とても行く気になれない。
‥‥「 複数のスタッフに取り囲まれて、商品の長所について力説される 」とか‥‥、
もう想像しただけで、ぐったりして、
出かけるエネルギーがわいてこない。
という方が、実は、かなりいらっしゃるので、
そうした皆さまの「 こころの負担 」を、すこしでも軽くしたいからです。
お話をよくうかがってみると、
そういう方ほど、
「 わたしの音楽 」「 わたしのピアノ 」を、
真剣に探しておられて、
ご自身でも、もどかしく( ときには、せつなく)
思っていらっしゃいますから。
それは、
「 ‥‥ええっ?! そんなの、ぜんぜん大丈夫!
どんな時だって、キッパリものが言えるから! 」
という方々からは、おわかりになりにくいことかもしれません。
でも、実際に、お悩みのお客さま方がおられる以上、
「 過負荷な気分ではなく、落ちついて、
ご自分の内部の感覚だけに集中できるように 」
「 少しでも気楽なお気持ちで、
大切なご自分のピアノ探しを続けられるように 」
わたしに出来ることは、お手伝いしたいと思っています。
それで、例としてあげました。
あと‥‥、最後になりますが、
「あせらず、じっくり探す」ためには
「 早くスタートする 」ことも大切ですね。
出逢いには、運の要素も大きいですから。
さて、アドヴァイス ( ヒント? )としては、こんなところでしょうか。
非常に長くなってしまいました。
まとめますと、
あなたが、もし、
「 やっぱり‥‥、本当に好きな音のピアノで弾きたいよね 」
と思われるのでしたら、
まず、たくさんのピアノに出逢う機会を増やすこと。
( 最近、楽器店でも、参加型イベントが再開されてきたようなので、
そうしたものは利用しやすいと思います )。
同時に、何でも相談できる、信頼できるガイドを見つけること。
( きっと、意外と、身近なところにいらっしゃいますよ )。
この2点を、ぜひおすすめしたいのですが‥‥、いかがでしょうか。
Q. おたく( バロックさん )は会社だけど、個人の店だから小さそうだけど( ゴメン! )、そういうとこで、輸入ピアノなんか買って大丈夫?
さて、ここまでお読みくださって、
ありがとうございました!
いや~、ほんとに長かったでしょう?
実際の時の経過も、長かったですよ。
( 初期の手書き → ワープロ → PCの進化です )。
うつしていて、ほかにもたくさん、お客さま方のお顔が浮かびました。
すてきなシルクハットをかぷって現れたぼうや
( 大切なピアノを選ぶにあたり、
泥まみれの長靴と作業着で駆け付けられた方( 農繁期で、収穫の合間だったそうです )、
もう、思い出はいっぱい‥‥。
お客さまお一人おひとり、素晴らしい方ばかりで、バロックは、とても幸せな店です。
いつも、本当に、ありがとうございます!
それでは、音楽が、いつでも、「 音の楽しさ 」でありますように。
そして、あなたがお幸せでありますように。
バロック店主 金子 欣久