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調律師の店

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〒450-0005 名古屋市中村区西日置1-9-21

よくある10のご質問 FAQ



これまでにお寄せいただいた、たくさんのご質問の中から、

10件ピックアップしました。


とくに「 ( 似たご質問が ) 多かった順 」とか

「 新しい順 」ではありませんが、


そのときどきに、お答を一生懸命書いたので、

なにかのご参考になればうれしいです。


ただ、
す・ご・く・長・い ! ので、お時間のあるときにどうぞ ♪



  ピアノの買い方


店内イメージQ. ピアノがすぐに必要です!

でも、楽器のことはあまりよく知りません。

どうしたら、早くお値打ちに、良いピアノが手に入りますか?

国産アップライトが希望で、できれば長く使いたいです。

資格試験に向けて、すぐに練習を始めたいですが、

今すごく忙しくて、楽器探しの時間がなかなか取れません。





A はい、承りました。

大急ぎで、リーズナブルに、レッスン用ピアノ

準備されたい、ということですね。

それでしたら、次のような方法があります。

 (   以下は、わたしたち販売店の動きです )。



 1   
メーカー (と、お決まりでしたら機種 ) をご指定いただく。

 新品をご希望なら、すぐメーカーに発注します。
 中古をご希望なら、中古市場や業者間で探します。
 2   おおよそのご予算 をおうかがいする

 新品をご希望なら、
   候補を選択して、ご提案します。
 中古をご希望なら、
   ご予算の範囲内で、最も状態の良い品を選んでご提案します。
  ( ただし この場合、ピアノは、まず内部機構が重要なので、
   デザインなど、外観の選択肢は少ないかもしれません )。
 3   外観やサイズについて、ご希望の条件 を指定していただく。

   外観には、デザイン ( 猫脚彫刻譜面台など )
    ・カラー ( 白・木目など )・塗装 ( つや消しなど )、
   サイズには、コンパクトタイプなどの
    ヴァリエーションがあります )。
 新品をご希望なら、
   該当する機種を選び出して、ご提案します。
 中古をご希望なら、
    候補を選択して、ご提案します。
  ( ただし この場合、外的条件がピッタリでも、
   内部状態が悪ければ 楽器として問題外なので、
   お探しするのに時間がかかることもあります)。




なお、今の時点で、
一番早いのは、在庫量の多い

中古の中から探されることです。


現在、コロナ禍による生産・輸送ラインの停止縮小

の影響が続いているので、


新品
については、世界中で品薄 が続いており、わが国も例外ではありません。



国産
といっても、材料調達やパーツ加工については

海外
( おもにアジア )に委託しているところが多く、

メーカーで在庫切れになって、「 納品待ち 」のケースも多いです。


こうした傾向は、しだいに改善されつつありますが、まだしばらくは続きそうです

( ただし、メーカー・機種にもよりますので、くわしくはお問い合わせください )。



なお、
ご来店が大変なようでしたら、

どの方法も、
SNSなどを利用して進められます。





それで結論としましては、


‥‥なかなかご来店なさる機会がなく、また、

「 ( 外装など )特定のポイントで、とくにご要望がない 」

= ごく
一般的なピアノ をお探しの場合には‥‥、



予算を伝えて、専門家に選定を任せる を選ばれると、

結果的に、
早く 良質な楽器が手に入ると思います。


( ただし、信頼できる業者に依頼することが、欠かせない条件です )。



ピアノ
は、実際のところは、

複雑な構造設計にもとづいて、何千ものパーツを組み合わせ、

なめらかに作動して、美しく発音するように仕上げられた、


精密機械
ですから。



プロには、その分野に関して、

知識やキャリア、ネットワークの蓄積がありますし、

日常的に たくさ
んの品を取り扱っているので、

それらの強みを、

ご自身の必要に応じて、積極的にご活用 」

なさるのは手だと思います。





実は、
こうしたお話は以前からあって、


輸入ピアノ
の場合は、新品でも中古でも、

 「 ご希望の機種が、
海外で見つかったとき 」は、

わざわざご試弾に行かれるのは大変なので、

最終的な選定については、ご一任いただくことがほとんどでした。


また、
国内においても、

施設
( 園・学校・教室・デイサービス・病院・ホールなど ) 法人様のピアノについては同じです

( 演奏者多数で、共同利用になりますから )。


それが、コロナ禍以降、

国内
個人のお客さまにも、

そういう選択をされるケースが一気に増えました。





世の中、変わっていきますね‥‥。


うちにご依頼いただいても、慣れていますから、

ぜんぜん大丈夫ですよ。

ご安心の上、お任せください。


なお、最後になってしまいましたが、資格の件、

うまくいくといいですね!


何かご質問や気になられる点がありましたら、

絶対ご遠慮なさらずにおっしゃってください。


いつでもお待ちしております。




  中古の輸入ピアノ



Q. 輸入ピアノを買うとしたら、中古ってどうですか? 

新品は、毎年どんどん高くなってる、って本当ですか?




A はい、本当です。

毎年、どんどん、高く 」って、非常に正確です。


ただ、その具体的な数字の動きについては、


新品でも中古でも

メーカーや機種、購入時期や支払方法などによって、

ほんとにケースバイケースなので、


お目にかかった時に、


過去の資料
( 残念ながら、その多くは、年々右肩上がりになっていく価格表です! )

などをお見せしながら、PCや電卓を使って、

くわしくご説明いたしましょう。


それで、あくまでも
一般論になりますが、それでもよろしければ‥‥。





( そもそもですが )、本格的なヨーロピアンピアノは、

高品質な天然素材を用い、

伝統工法によって緻密に造られているので、

とても
耐用年数が長く

たとえば
19世紀に製造された楽器でも、堂々と現役で、

「 いぶし銀の音色 」と称えられて、音源収録に珍重されていたりします。


そして、ピアノ業界というのは、
生産者側の変動も激しいところで、

( それで、いわゆる
「 老舗 」の存在感が増していくのですが )、

メーカーの吸収・合併や統・廃合、

機種
の改定や生産中止などが、かなりあります。


そうするとどうしても、

年々
入手困難になる一方の楽器とかが出てきますが、

( それは「
骨董品 」としてではなく実際に演奏されるためで、

それは、世界中の
プロの音楽家、趣味の愛好家のみなさんに、

さまざまな音のお好みがありますから )、

稀少性が増すほど、市場の流通価格は上がっていきます。





また、
もっと最近の中古ピアノ「 値上がり 」についてでしたら、


そうですね‥‥、

最近だと、こんなことがありました。


先日、以前、うちから、輸入ピアノをご購入くださった方のもとへ、

いつもの定期調律でおうかがいした折に、


 「 ところで、
今これを買うとしたら、おいくらですか?」


と尋ねられたのです。


それは、若干のモデルチェンジはあっても、

ほぼ
現行機種に対応するものだったので、

すぐにお答えすると、とても驚いておられました。


2000年代初め、その方が
ご購入になった際の価格は、

その
半分以下でしたから。

つまり、
かるく 倍以上に値上がりしたわけです。





‥‥
この20年間、わが国において、

給与水準や銀行利息など、

他の数字の動きはどうだったでしょうか?



国内に限らず、最近は
世界中

ヨーロピアンピアノの
資産価値としての側面

( なにせ
値上がりする一方ですから‥‥)

が見直されているのも、あながち根拠のないことではありません。


投機対象
となってさらに価格高騰など、

全くご免こうむりたい話ですが、

実際、
世界では、一部にそういう動きが出ている、と聞いておりますし‥‥。



近年の
国内経済の動きとも合わせ、複雑な気もちになってしまいます。





あと、弾かれなくなったときの

買取り価格」について ですが、


ご存知のように、ほとんどの
国産ピアノでは、

残念ながら相場がとても安いです。


( 逆に、運賃を含めた 解体・
処分費用が持ち出し

になることも多いです )。



輸入ピアノ
の場合、通常は、「 市場に出して再流通させる 」ことが可能です。


その
具体的な数字については、

そのピアノの基本情報( メーカー・機種、製造年度、内部機構・外装の程度、

メンテナンスを含めた使用状況など )のほか、

そのときの
市場動向( 活気 )、その機種の人気度や普及度など

によって決まってきます。


本当にケース・バイ・ケースなので、

くわしくお知りになりたい場合は、どうぞお気軽にお尋ねください。




  輸入ピアノと日本の気候



Q.  輸入ピアノはとてもデリケートだと聞きました。

梅雨とか猛暑とか、日本の気候には、合わないんじゃないかと心配です。



A なるほど、ご購入後の、環境への適応について、ご心配なのですね。


そうですね、輸入ピアノは
たしかに敏感ですが、

寒い国から暑い国まで、

世界中一般家庭で使用されておりますし、

わが国においても、通常の室内環境でしたら、

ふつうはあまり問題ありません。



ただ、ヨーロッパから持ってきた直後は、若干 不安定さが見られる場合もあります。 

(
個体差が大きいので、全てがそうなるわけではありません )。



そのような、
移動直後 ( お引越しなどの後も含めて ) には、

ピアノが
新しい環境に慣れるまで、どうか見守ってやってください。

やがて周囲になじんでいきます。





その感覚は、「
生きものの世話をするような」といえば近いかもしれません。

店内イメージそして、その「生きもの」とは、

動物ではなくて「
植物」、

草でなくて「
樹木」、

つまり、
ロングスパン見てゆく感じなのですが‥‥、



それは理由のあることで、


ピアノという楽器は、かなりの部分が木で出来ているからです。



もちろん、
金属のワイヤー( ピアノの弦 ) やフレーム( 弦を張る頑丈な枠)などもありますが、

は、アクション( 内部にある、音を出す仕組み )や

響板 ( その重要性から、「
ピアノの心臓」と呼ばれています )、

ケース ( 外側の箱 )、鍵盤 など、多くのところで、大切な働きをしています。







よく、「
ピアノに快適な環境は、人間に心地よい環境

といわれますが、


それを数字であらわすと、

「 室温 20度前後、湿度 50%前後( ±20% )」で、

冷暖房・除湿など必要なときには空調を使う、一般的な室内環境 」になります。



そんな場所ではピアノも元気です。

‥‥
生きものみたいでしょう?



年間を通じてその辺りを維持できれば、まず問題ないですが、

( ピアノに限らず )たいていの
楽器類は、


● 空調機の真下、ヒーターの真横などの「
急熱・急冷」、

● 雨の日の開放した窓やストーブの側などの「
過湿・過乾燥


苦手なので、その辺りは避けていただくことも大事なポイントです。





なお、
日本の気候には、

春から夏にかけて雨が多く、

に乾燥する ( おもに太平洋側で、日本海側は別です)、

という
季節変動があります。



ご存知のように、
木は湿気を含むと膨らみ、乾燥すると縮みます



押した鍵盤が戻ってこなくなったり、音色やタッチにばらつきが出る、

などのトラブルは、そうして発生しますが、

状況によっては、一時的に強く、また繰り返して起こることもあります。



そうしたとき、問題発生の
直接的な原因は、本当にまちまちなので、

解決には、ピアノを設置している
現場を見せていただくことが、

一番確実で早いです。



何度も続けて起きるようなら、

● 加湿・乾燥機 (
室内に設置します )、

● ダンプチェイサー(
ピアノの内部に入れる湿度調整器です )

など、
補助器具の導入を検討しますが、

これらを使うと、かなりの確率で改善します。







わたしは毎年、北海道から九州まで、

人よりも「 熊 / 落石
絶対注意!」( ‥‥どうしたら、いいですか?)標識の方にたくさん出合う、

深い山の中、離島から、日本海側の豪雪地帯まで、

たくさんのご納品先を定期調律で廻っていますが、


皆さま、
ふだんの生活の中で、輸入ピアノを楽しんでいらっしゃいます。


ヨーロピアン・ピアノと共に暮らす 」という感じで‥‥、すてきです。


きっと、お宅でも大丈夫だと思いますが、

もしご不安でしたら、またご相談くださいね。



  不要になったピアノ


店内イメージ
Q. 弾かなくなった輸入ピアノを処分したいのですが、

具体的にどうしようか、迷っています。




A ああ、そうなんですね。わかりました。



もし、ご処分なさりたいのでしたら、一つご提案があります。


それは、「
委託販売 」なさいませんか? ということです。





さて、今は
ネット社会で、すごく便利なんですけど、

たまに、
一種のエアポケットに遭遇して、あわてることがあります。


たとえば、いろいろな物の買取りに、

ワンクリックで済む「
一括査定サイト」などがありますが、


大量にあって相場もわりと一定している、
国産ピアノや自動車などと違って、

輸入ピアノ
の値付けは、時として、とても難しいです。



それは本当に微妙な作業なので、

わたしも、査定のためだけに出張することがあります。

現地でじかに見てみないと、判らないこともありますから。





以前、こんなことがありました。


ある団体さんから連絡があって、

 「
古いピアノが場所ふさぎで困っている。

 どうにかしたくて、複数のピアノ業者に訊いてみたが、

 処分料が必要と言われて、それがかなり高い。

 どこか安くできるところを知りませんか?」

とのことでした。


お話をくわしくお伺いするうち‥‥、しだいに、

 
???

ついに判明したのは、それは、
非常に希少なピアノで、

資産価値がある上、それはビックリ価格だ、ということです。


結局、その団体さんは、

広く呼びかけて寄付金を募られ、
修復は成功

ピアノは無事に
現役復帰お披露目コンサートまで開催されて、

めでたくハッピーエンド
となりましたが

 ピアノ本人
(?) にとっては 間一髪!

 まさしく
九死に一生かと。


声を出せるものなら、絶対、なんか言いたかった!!

‥‥と、今でも思います。





まあ、これは、かなりのレアケースでしょうが、

輸入ピアノ関連は、

こういうことも、実際に起こる世界
だということです。


一度 専門家に見せることで、
再評価されるような楽器は、

世間にはまだまだ埋もれているのかもしれません‥‥。



さて、「 ご処分なさりたいとき 」の選択肢の一つとして、

先にご提案した「
委託販売 」では、


そのピアノを、
うちがお預かりして、

次のオーナー様へおつなぎします。

そして
ご成約になりましたら、

お代金の中から手数料
をいただきます。

( それまで
費用は一切かかりません )。


もちろん、ピアノを
ご自宅に置いたままでも可能ですが、

ただ、試弾を希望されて訪れるお客様方に、次々と

(「 アクション ( 内部機構 ) の状態 」など
テクニカルな質問へのご返答も含めて )、

対応
されるのは、ちょっと大変な気がします。





店内イメージなお、この方法は、

すぐに現金化が必要な場合には向きません。

その際は、
普通の買い取り」の方が早いです。


でも、
決済後にお手元に入る金額は、この「 委託販売 」の方が多いですから、

「 こういう方法もあるんだ 」ということで、よろしければ、ぜひご検討ください。



  調律の頻度 




Q.  ピアノの調律って、年に1回するものですか?





A はい、基本的にはそうです。


ピアノ内部にある、大きな金属の枠 (
フレーム ) には、

230本くらいの
ワイヤーを、交差させて( 省スペースのためです )、

きつく張ってあります。


全体では、
常に20tくらいの力がかかっているので、

時間が経つと、どんどんゆるんで伸びていってしまいます。


当然、音も狂ってきますから、「 調律 」をして、正しい音程に合わせ直します。





また、
時間の経過だけでなく、

たくさん弾くことでも、

振動の作用で音は狂いますから、


演奏時間の長い方
はご注意ください。


とくに、音大生や受験生、コンクール・演奏会などに参加予定の皆さまは、

一般の方々とは、ケタ違いに弾かれます。


でも、ピアノがおかしくなっていたら、

せっかくの長時間の努力が報われません。

耳慣れしてお気付きでないこともありますので、どうぞお気をつけください。





あと、
ご購入になったばかりのピアノの場合も、

同じです。



出荷直後の
新品は( また移動直後では中古品も )、

弦がゆるみがちです。



回数について、具体的に申し上げると、

● 
ご納品の際に1回、


● その後は、

  ( 新しい環境に慣れるにつれ、ピアノの状態が落ちついてきますので、

  
様子を見ながら )、半年に1回、


● それからは、一般のご家庭のピアノでしたら、

  ( 申し上げたように、置かれた環境や弾かれる頻度によって変わりますが )、

  
定期的に、年に1~2回


くらいのペースが望ましいでしょう。



  お家の工事期間中のピアノ


店内イメージ
Q.  豪雨被害に遭ってしまいました。

建物修繕のため、ピアノをすぐにどかさないと!

それから、工事中もどうしよう??




A それは大変でいらっしゃいました!

ピアノの件は大丈夫です、お任せください。


移動も保管もすぐ手配しますので、
ご希望の搬出日とおよその期間をお知らせください。


また、ご要り用でしたら、工事終了後のお部屋には、クリーニングを済ませた
きれいなピアノをお届けできますので、お申し付けください。


なお、何かご心配なことがありましたら、またすぐにご連絡ください。

いつでもお待ちしております。


末尾ながら、
ご一同様、どうかくれぐれも、ご自愛専一にお過ごしくださいますように。


それでは 失礼いたします

                                 金子 欣久




    

  貯金 VS ローン ‥‥ 購入のタイミング


店内イメージ
Q.  分割払いって、どうですか?

ローンって好きじゃないから、

やっぱり、貯金してから、買おうかな‥‥。






A うーん‥‥、わたしも、
基本的には、そちら派です。


ただ、
輸入ピアノの場合、

ちょっと
特殊な事情があるので、いちがいには‥‥。



いや、口ごもらないで、
バッサリ結論を申し上げるなら、


ローンの利子負担分よりもはるかに、年々の値上がり分が大き過ぎる!!


ので、待っていても
追いつけない というか、

追い付きそうになるたび
引き離される というか、

うっかりすると、
まったく埒のあかない一種の泥沼に踏み込んでしまう、

ということです。





ああ、なんか、身もフタもない言い方ですね‥‥。


ただ、それくらい、
輸入ピアノの値上がり幅は、大きいです。


そして、EUや世界の
政治経済の大きな動向からも、

天然資源や人件費の高騰など、
ピアノ製造にまつわる諸事情からも、

残念ながら、この
価格高騰傾向は、しばらくは止まるとは思えません。


ご説明はなかなか難しいのですが

( 私は税理士の長男でありながら、お金の計算がイマイチ好きになれず、こっちの業界に来た人間です。

でも、
お客様に損をさせないためなら、頑張ります!!)、


ご来店いただければ、

過去のデータを含め、いろいろな資料がありますので、

電卓片手に、
お支払いパターンを変え、

シュミレーションを繰り返して、

この状況と
対応策についてご説明できるのですが。





うーん、そうですね‥‥。


具体例
を挙げた方が、ご納得いただきやすいかも。


実は、私は最近、光栄にも、

お客様からすごく感謝されました。

その理由は、


 「
あの時、あのピアノをすすめてもらって、

  買っておいて、ホントに良かった!

というものです。


その方は、
20年ほど前に、うちから、

ドイツ製のアップライトピアノをご購入になりました。

その時の価格が、
約150万円

それは、
も人気の高い機種の旧型なので、ほぼ同じピアノが販売されており‥‥、

その価格は、
約380万円です。


‥‥いかが思われますか?



ちなみに、
値上げは毎年恒例ですが、

今年の上げ幅
はとくに大きくて、ほぼ1割でした。


各メーカーも企業努力を続けていますが、


コロナ禍や国際情勢の大きな変化
もあるので、

今後の状況の推移には、まったく目が放せません。





それから、あと一つだけ、


最後に付け足すならば。



わたしは、
ピアノという楽器を売っていますが、

それは、
ただの物の販売ではありません。



その本質
は、ひとりのお客さまに、

そのピアノと過ごす、かけがえのない、人生の大切な時間をお届けすること

と知っています。



それを、
口に出して、はっきりと教えてくださったのは、

ある大きな天災の後、弊店まで、

遠路苦労してお越しくださった、一人のお客さまでした。



 私は、そのことを忘れません。



過ぎた時間は、どれだけ願っても、決して戻ってこない以上、



 「
わたしの愉しみは音楽だ

  
これからの人生で、それを少しでも長く、心ゆくまで味わいたい。

  だから
ピアノは、今必要だ



とお思いの方には、精一杯のお手伝いをしたいと思っています。





メーカーが、超低金利ローンをサービスすることもありますし、

ローン会社
が、特別キャンペーンを組むこともあります。



でも、それらはほとんどが
期間限定 ( わりと短めです ) なので、


ローンでのお支払い
をお考えで、少しでも有利に進めたい方は、

よろしければ、
早めにご相談ください。

チャンスが来たら、すぐにご連絡いたします。




  あなたの表現 / 楽器のパワー


店内イメージ
Q.  ピアノ選びで悩んでいます。

ピアノって、どれも同じような気がしていたんですけど。

実際は、かなり違うみたいですね‥‥。

それから、良いピアノで弾くと、早く上手くなるって、ホントですか?





A はい、本当です。


楽器のレベルが上がると、上達のスピードも上がります。


 ‥‥え、なんで?


と、お思いでしょうか。



よく、「
弘法は筆を選ばず 」とも云いますし。



どんな道具を使ったとしても、

 「 名人なら 」、「 工夫次第で 」、「 気合さえあれば 」、

好結果が出せる、といったことのようですが。



でも、それは、「
」についてのお話で‥‥。


楽器
( とくにピアノ )については、援用は ちょっとムリがある、というか‥‥、

精神論や弾き手の努力だけでは、
どうにもならないところがあります。



それは、どんなテクニックを使っても、



実際に出てくるのは、「 その楽器の音 」
だからです。







さらに ストレートな言い方をすれば、

奏の結果は、「 使う楽器のレベル相応になる 」

ということです。



Ⓐ なぜなら、
どんなに繊細な弾き分けをしたとしても、

  反応がわるい(
敏感でない )楽器を使ったら、

  似たような音しかかえってきません。



Ⓑ また、
どんなに素早い指使いをしたとしても、

  
反応速度の遅い楽器では、

  演奏には反映されません。





実は、
これらが、


コンクールやコンサートの会場
には、

ハイグレードな楽器
が置いてある理由

( 別にカッコ付けじゃないんですよ ) 、



( ‥‥ええ、だから、入れましたとも!

 バロックの2Fに、
イベント用に。

  さすがに高かったですが‥‥。 いや、つい‥‥、余談でしたね‥‥ )。



ピアニストに限らず、
プロの演奏家の方々が、

良いピアノ
をお求めになる理由です。



そして、
が、

ある程度上達したら、アップライトピアノから グランドピアノへの移行

を勧められる
理由です。



完全に、
楽器の構造上の問題なので、

一般の方がお考えになる以上に、そうした「
楽器の実力の限界 」は早く来ます。





店内イメージもし、
お稽古の量が同じなら‥‥。


使用楽器が、

レベルの高いものそうではないものでは、

時間が経過するほど、後者が不利になってしまう 」

のは否めないのではないでしょうか。


ピアニストの先生方のお話でも、

とくに、
表現力などの点で 差が開いてくる、と指摘されています。

それは、気付かない ところは、直せないですから)。





なお、
長期間にわたるレッスンの集大成として

コンクールやコンサートに出る場合、

ステージで弾くのは、ほぼ、大型のグランドピアノです。


そして、
コンクールのグレードが上がるほど、

それが、
ハイクラスな輸入ピアノである確率は高くなります。


そして、
そうした楽器操作性は、

一般的な国産品
とは、またかなり違うので、


 ‥‥ 文字通りの
ぶっつけ本番 」はきびしかった!!


というのが、

うちへお越しくださった、コンテスタント ( 参加者 ) の皆さまから

常々お聞きする、
率直なご感想です。


( その体験をきっかけに、うちへご相談に来られるケースも多いです )。





あと、小さい方 (
お稽古始め ) のためのピアノについてですが、


 「
レッスン初期からの導入は、時期尚早 」

 「
初心者にはもったいない 」


という考え方もあると思いますが、


一方で、「
初めから、本物に触れさせて育てる

といった考え方もあるでしょう。



わが国でも、古来、

物の真贋や価値など 目利きが必要な職業では、

後継者を育てるとき、ふだんから意識的に

贋物や安物には触れさせない 」教育法があったと聞きます。


常に
本物に接していると、

贋物に対しては、かすかにでも違和感を感じるので、

騙されないで済むのだ、とか。





たしかに、
本物には 人を育てる力があると思います。


大量生産された均一な製品にも、それなりのよさがありますが、


一つずつ、
人間が真摯に、精魂込めて造り上げた品には、


どんなサイズであっても、それぞれに、
堂々たる風格があり、

向き合う者に居ずまいを正させるような、
一種の迫力があります。


( 昔の人たちは、それを「
魂が宿る 」と表現したようですね )。



いずれにせよ、幼い人たちの


まっさらな眼も耳も指も、とても染まりやすい


ですから、


 「
なるべく良質なものに触れさせて育てたい


とお考えになるのも、やはり、
親御様のご見識だと思います。





また、
経済的側面からみると、

「 上達に応じて
何度も楽器を買い替えてゆく

やり方もありますが、

( わが国では、長らくこの方式が主流でした )


トータル
で考えると、

それは、必ずしも得策ではありません

( 高額であることや、メーカー・機種による 資産価値・下取り価格の違い、

など、
ピアノという商品の性質のためです )。


それならば、はじめから、

買い替えの必要がない楽器を選ぶ という選択肢もあります。





さて、以上のように、

どんなピアノを使うか? 」という問題は、

一見、単純そうに見えて、

実は、
ずいぶん先まで影響する

見えないメリット / デメリット

を含んでいます。




そして、現場の人間として付け加えるならば、

現在すでに、音楽の道を、

  「
専門家として歩まれている 」方も、

  「
趣味として楽しまれている 」方も、

先に進めば 進まれるほど、

この「
演奏者の表現( 意思 )と、それを実現するための 楽器の実力

の問題については、お悩みのことが多いです。



それで、
これから、ピアノ選びをなさるのでしたら、

楽器の基本性能だけでなく、

こうした内包的な問題にも、目を向けながら、

機種をお決めになることをおすすめいたします。



なお、具体的な選択について、さらに詳しいアドヴァイスがご要り用でしたら、

またお便りくださいね。


少しでも、お役に立てればうれしいです。




  はじめての輸入ピアノ


Q.  最近、輸入ピアノに興味があります。


でも、種類がたくさんあるみたいで、それぞれの違いとか、どれを選べばいいかとか、よくわかりません。

ピアノはもう大好きですが、高い買い物だから、失敗したら怖いし、絶対間違えたくないし、どうしようかな‥‥。

そもそも、ピアノ選びって、どこから始めたらいいですか?

‥‥ また、こういう悩みって、どう思いますか? 

みなさん、やっぱりそうですか?

なんだか、迷ってばかりなので、やっぱり基本のところから知りたいです。

役に立つヒントか、アドバイスをください!
 






A うーん、
まずは急がれないことですよ。

こういう事で あせったって、ロクなことはないです。



それは
大前提として、次をお話しますね。

( うーん、難しい ‥‥‥)。


まず、
の好みは、香りや味わいの好みに似ています。

( 五感といいますしね )。


香水や料理で、「 あ、これ、好きだな 」と思うことがあるように、


ピアノの音色や響きについても、


「 ! 」という発見


の訪れるとき
があります。


素晴らしい瞬間です。


しかし、それは、
新しい出逢いから生まれるものなので、

その機会というか、チャンスが必要です。

( もしかしたら、とてもたくさん必要かもしれません )。





新しいものは不安です。慣れたものは安心です。


でも、あらかじめ、すべての答がわかっていたら、

人生は、どれほどつまらないものになるでしょうか。


「 !! 」


‥‥一瞬後には、
「 気づいてしまった 」

新しい自分がいる。


そこに
理屈はありません。

「 これだけが正解 」という、
絶対の基準もありません。


花のなかで、

ユリに魅力を感じる人、バラが最高だと思う人、スミレがいちばん好きな人、

それぞれいるのと同じです。



束縛から解放されて、


あなたは自由




それが、芸術の世界です。


心からやすらいで、没頭できる、なにか。


誰がなんと言おうとも、
あなたが、それを好きなら、好き なのです。


‥‥逆に、あなたが、「
わたしの音 」と感じないなら、

どんなに高い楽器でも、「
あなたのピアノ 」にはなれません。





で、それはそれで「 まるごとOK!」なのですが‥‥、


そこに
お金がからむと、とたんに話がややこしくなってきます。


運が悪いと、
あなたを利用しようとする人まで出てきたりします。

ピアノは、花や香水とは比較にならないほど、高価ですから。


あなたのペースを無視して、
決断をあせらされたり、

ついには
酷い品を押し付けられたり。



そんな時‥‥。

「 ちょっと待って、一目惚れはいいですけど、
それ、ぼったくりですよ!

( 価格と品質が、ぜんぜん釣り合っていません )」


「 いやいや、そっちは
外装サギですよ!

( パッと見はいいけど、中味はボロボロですから )」


と、落ちついて、冷静に、第三者的立場から、「 転ばぬ先の杖 」になってくれる


ツッコミ役
がいるといいですよね。



わたしは、社会において、
専門家の役割のひとつは、それだと思っています。





まあ、そもそも、そんなピアノに「 近づける 」段階で、すでに危ないですよ。

本物のプロなら、ぜったい避ける界隈ですし、ご依頼の あったお客さまは、しっかりと守ります。


そうですね、たとえば‥‥。





ピアノはかさばりますから、
メーカー・機種・サイズ・デザイン・カラーなど、

さまざまなお客さまのご希望に対応できるだけの台数を、

一度に店内に揃えておくことはむずかしいです。


それで、
ご希望にマッチしたピアノのある所へ、

お客さまをご案内するわけですが、


そこは、
新品なら、メーカーのショールームだったり、

荷ほどきして調整中の工房だったり、



中古
なら、卸の店頭だったり、

業者共通の倉庫だったりします。


また、個人のお宅のこともあります

( オーナー様が、買い取りではなく、直接の売却をご希望の場合で、

多くの場合、状態の良さとお値打ち価格が魅力です )。


もちろん、
全部きちんとした、信頼できる楽器を置いてある所ばかりなのですが、

さて、そうした場でも、お客さまは、


言いづらい
とお感じになることは、何もおっしゃる必要はありません。






ご質問などはご遠慮なく
どんどんしていただいて、


でも、「 うーん、なんかちがう~ 」と思われたら、

にっこり( だって、ここの次の入荷で、いいのが入るかもしれませんよ?)、


黙って退出で、ぜんぜん大丈夫
です。


( まちがっても、「 向こうの人と一緒」になって、

あなたを「 囲んだり 」はしません! ) 。


 外に出たら
、ご感想を教えてください。

 そして、お疲れでなければ、
のところへ行きましょう。

 そこでもピンと来なければ、
また次

( もちろん、日を変えるのもアリです )。



断りはすべて、後でこちらから
入れます。

つまり、
面倒なことは丸投げでいいのですよ。そのためのプロです。


あなたが、ひたすら集中して、
ピアノだけに心を向けられるように。





さて、話は最初に戻りますが。

ピアノ選びのコツとして、まず、

あせらないこと 」と申し上げましたよね。



「 あせらない 」といえば、こんな経験があります。


それはですね、

ピアノ選びに、うちで、今まで一番長くかかったお客さまの話です。


その方は、月をまたぎ、年を越えて(
ホントに何度も越えて )‥‥、

最近どうしてらっしゃるかなぁ、と思う頃、( それは、「
たぶん、よそで ご購入になられて、今頃きっとお幸せに‥‥ 」と思う頃 )、

いつも
いらっしゃって‥‥‥‥。

ある日ある時
パッとお決めになったので、わたしは「 まさかの一目惚れ 」の現場を目撃しました。


それは、初めてお目にかかってから
20年近く後
( 赤ちゃんならすでに成人 )、

その間、店の
住所は2回替わりました。


それからというもの、

「 あらゆるご対応の場面を、
短く感じるように!!」

‥‥とは言いませんが、

その方が、愛しのピアノと 今も
とってもお幸せそうなので

( それがというか、
それだけが大事ですよね )、

そのお客さまらしさ 」を最大限にリスペクトし、尊重することを学びました。





‥‥と、ついでですが。


長年のそんなこんなで、

うちは「 オンリーワンの店 」なので、

このHPの表紙にも書いておきました。


  
お客さまも、店も、わたしも、オンリーワン


その昔、

世界中 ( 天上天下 ) 、ぜんぶそうで、

だから
あたりまえに、大切なんだよ 」


と、目覚めた人が、人生のスタートに右手を上げて
( なぜ?)、

最優先事項として、まず教えられたそうで‥‥。



  いつも忘れないように。



( ただし、わたしは、なにかの教団の人間ではありません、念のため。

‥‥こうお断りしとかないといけないほど、最近は物騒なのが、またちょっと‥‥)。





ところで、話は変わりますが、

ザ・キャッチャー・イン・ザ・ライ

( 邦題「 ライ麦畑でつかまえて 」)」

という小説をご存知ですか?


大昔に読んで、すでにうろ覚えなのですが、

主人公の家出少年は、

ジャングルみたいな20世紀半ばのアメリカ社会を旅して、

さまざまな人たちと出逢いつつ、ラスト近くで、こう思うのです。



 「 ライ麦畑で、こどもたちが、遊びに夢中になってたら。

  気づかずに、崖から落ちてしまうかもしれない。

  その前につかまえる
( キャッチする )役の人になりたいな 」、と。



「 無邪気にただ遊んでいる 」側から、やがて
「 見守る 」側へ。


つまり、「 子どもが大人へ成長していく話だな 」と、

若い頃は単純に思っていました。





‥‥でも。


だんだん、

「 本当は、
だれもが、だれかの “ キャッチャー ” なんだ 」

とわかってきました。


うちには、医師や大学教授など、高度に専門的な職業の皆さまもお越しですが、

ピアノのメカニズムについては、わたしの方がくわしいです。


でも、そうした方々が、

日々精魂を打ち込んで( 次々と限界突破して)おられる分野について、

わたしは何も知りません。


また、たとえば、植木の世話についての知識だと、

お隣のおじいちゃんに、わたしが勝てる要素はゼロです

( 春に美味しい桃、秋に甘い柿をくださいます )。





‥‥人生の中では、親になるとか、部下をもつとか、

いや、同僚とか友だちとか対等な立場であっても、



「 見守る 」
状況になることがあるし、

「 見守られる 」立場になることもある。



‥‥
具体的に特定の相手がいなかったとしても、

仕事 」についている全ての人は、

それを通して、すでに「
知らない誰か 」を守っている。


( もちろん、「 仕事 」というのは、「 お金を稼ぐこと 」に限りません。
というより、「 そうでないこと 」の方が多いと思います。家事や子育てもふくめて )。



‥‥みな、
それぞれのフィールドでは、「 凄腕のキャッチャーで‥‥、

社会はそうして動いているんだな。



‥‥本当は、

誰もが、
ふだん

「 遊びに夢中なこども 」で、

誰もが、
自分の専門分野では

「 見守り、助けるおとな 」で‥‥、

つまりは、みな「
お互いさま 」なんだな。



と、仕事柄、たくさんの方々とお話ししていくうちに、よくわかってきました。






また、もし、そうでなければ、


人類
はここまで生き延びてこれたかな?

とも、感じました。



「 負うた子に教えられる 」といいますが、

世代の積み重ねの上に立って、目線が段々と高くなる分、

視野
も広がってくるみたいですね。


今、若い人たちから、
新しい物の見方

(「 白熱教室 」で、サンデル教授が指摘されたような )が広がってきて、

かつて一世を風靡した「 自己責任 」という言葉も、意味が見直されてきたように。





まあ、「 ライ麦畑 」の物語そのものは、


まるっと、当時の知的な高校生が感じた

欺瞞的な社会と大人たち 」への

「 反発と嫌悪感でいっぱい 」の文句の山


という感じで、読んでてそう楽しかった記憶もなく、

なんだか、はっきりしたストーリーも思い出せません。

( その後、J・レノン射殺犯やアメリカ大統領狙撃犯の愛読書とも、

報じられましたよね‥‥ )。


変わらぬベストセラーなので、これから読まれる方もいらっしゃるでしょうが、

多くの皆さまは( わたしと同じように )、

「 いや、崖から落っこちそうなのは、まず、主人公? 」と思われるかも。



ただ、「
キャッチャー 」のくだりだけは、強く印象に残っており

今なお美しく、共感できる
のです。



というわけで、
わたしの「 ライ麦 」は「 ピアノ 」なので‥‥、


今日も、畑にいるのでした。







さて、あとは、と‥‥、


「 なんで、『 代わりに断る 』と、『 守る 』ことになるの?」

と、疑問に思われたかもしれませんね。



それは、ですね、

わたしのフィールド(
ピアノ、とくにクラシック )には、

静かで、やさしい方が多いからですよ。



‥‥一定の場面では、ご自分のお気持ちをのみこんでしまいがち、というか、

人前では、一歩引いてしまいがち、というか。


断る=相手の頑張り・熱意をムダにする 」とお感じになって

( 本当は、そんなことをお気になさる必要は、ぜんぜんないのですが )、

気持ちが萎えて、それをまた、

ご自身で苦になさってしまう、

繊細で、思いやりの深い方々です。


それは、男性でも女性でも、どちらにも属さない方でも。

また、年齢にもよりません。







‥‥わたしは、もともと好みがうるさいたちだから、


気に入ったピアノが見つかるまで、長くかかりそう。



‥‥でも、「 次々に試せば、結果的に、
次々と断りを入れなくちゃ 」と考えたら、

気が重くなってしまって‥‥、

とても行く気になれない。



‥‥「 複数のスタッフに
取り囲まれて、商品の長所について力説される 」とか‥‥、

もう想像しただけで、ぐったりして、

出かけるエネルギーがわいてこない。


という方が、実は、かなりいらっしゃるので、

そうした皆さまの「
こころの負担 」を、すこしでも軽くしたいからです。






お話をよくうかがってみると、

そういう方ほど、

わたしの音楽 」「 わたしのピアノ 」を、

真剣に探しておられて、

ご自身でも、もどかしく( ときには、せつなく)

思っていらっしゃいますから。



それは、

「 ‥‥ええっ?! そんなの、ぜんぜん大丈夫! 

どんな時だって、キッパリものが言えるから! 」


という方々からは、おわかりになりにくいことかもしれません。


でも、実際に、お悩みのお客さま方がおられる以上、


過負荷な気分ではなく、落ちついて、

ご自分の
内部の感覚だけに集中できるように 」

少しでも気楽なお気持ちで、

大切なご自分のピアノ探しを続けられる
ように 」


わたしに出来ることは、お手伝いしたいと思っています。


それで、例としてあげました。







あと‥‥、最後になりますが、

「あせらず、じっくり探す」ためには

早くスタートする 」ことも大切ですね。


出逢いには、
運の要素も大きいですから。




さて、アドヴァイス ( ヒント? )としては、こんなところでしょうか。

非常に長くなってしまいました。


まとめますと、


あなたが、もし、

「 やっぱり‥‥、
本当に好きな音のピアノで弾きたいよね

と思われるのでしたら、


まず、たくさんのピアノに
出逢う機会を増やすこと。

( 最近、楽器店でも、参加型イベントが再開されてきたようなので、

そうしたものは利用しやすいと思います )。


同時に、何でも相談できる、
信頼できるガイドを見つけること。

( きっと、意外と、身近なところにいらっしゃいますよ )。


この2点を、ぜひおすすめしたいのですが‥‥、いかがでしょうか。



  楽器店のかたち


料理イメージ
Q. おたく( バロックさん )は会社だけど、個人の店だから小さそうだけど( ゴメン! )、そういうとこで、輸入ピアノなんか買って大丈夫?




A いや~、ズバリ、ありがとうございます( 笑 )。訊きにくくなかったですか?

そうですね、気になりますよね。


海外
だと、

こういうかたちの
個人経営のピアノショップは、

ごく普通
でありふれてるんですけど、


日本
ではわりと少なくて、

「 ショッピングモールや商店街にあって、


大手メーカー
の直営か系列で、各種教室も併設 」

といった店舗が多いですからね。



たぶん、その背景には、

ピアノという楽器が日本国内に普及した経緯や、

「 音楽や楽器と個人 」のかかわり方や感じ方の違いなどがあると思いますが、

ここでは、
ご購入後の保証やアフターサービスについて、

重点的にお話しますね。





それは、
他のさまざまな商品と同じで、

ご購入になったピアノが


新品か、中古か
によって違ってきます。



新品
の場合、

保証する主体はメーカーなので、

各小売店は窓口の役割です。

それで、メーカーへの
登録手続きさえ済んでいれば、

どの小売店から購入されていても、基本的には大丈夫です。



ただ、ピアノの場合も( 自動車販売店などと同じように )、

店には種類があります。


正規代理店 」の認定は、

技術力や販売実績について一定の基準を充たし、

営業活動全般
について総合的・長期的に評価信頼されている」

ことの証しなので、

受けている店は、ディーラーとして
信用度が高いです。





中古の場合、

店によって、
保証の範囲や期間はまちまちです。


保証期間内は当然、

どこでも、責任をもって対応するはずですが、

過ぎた後( 有償修理 )になっても、

誠実に、親身になって対応してくれるかは、
販売店によると思います。


中には、
修理よりは、積極的に買い替えを勧めてくる店もありますし、

最近は、技術系の人手不足からでしょうか、

「 修理はお受けしません( よそへどうぞ ) 」というところもあるようです。





たしかに、今は、


使われなくなった物
が世の中にあふれており、

かなしいことに、
ピアノはその代表例みたいになってしまいました。


また、
小さな修理なんかしても、

手間がかかるばっかりで、儲からないかもしれません。


しかし、
ピアノは、本来長く使える楽器ですし、

下取り価格が安くて、不用品扱いを受けてしまっているたくさんのピアノ

( ほとんどが
国産です ) についても、

その
基本性能や堅牢さ、安定した商品水準は素晴らしく、

海外でも人気( アジア・アフリカ諸国へ大量に輸出・再販されています )なので、

本当に残念です。


結局、ピアノに限らず、

生産体制からはじまる、今の商品の
修理・メンテナンスのあり方は、

資本主義の歴史や本質、また「 持続可能な経済 ( ロハス ) 」などともつながって、

現代社会システムの根本的な構造から来ているようです。





そうした中で、とりあえず、目の前のお話として、

修理・定期メンテナンスの必要を前提としたお買い物で、

大きな系列店


( 担当は、社員さんか嘱託さんだと思います )と、

個人が経営する店

( うちだと、
調律師がやっている店なので、担当はわたしですね )の、

どちらを選ばれるか、ですが‥‥。


それは、
地理的環境

( 最近は、個人経営の楽器店がお近くにない地域も、かなり増えてきたようです )

にもよりますし、また最終的には、

その方の
ピアノ ( や調律 ) についてのお気持ち

( ヘンな単語だとは思いますが、「
良い意味での こだわり」というと

ご理解いただきやすいかと‥‥。語彙力がなくてすみません‥‥ )

によるかと思います。





あと、これは別のお話ですが、

これからは、
個人店の場合、

その店の「 将来性 」についても問題になってくると思います。


というのは、皆さますでにご存知のように、

現在、
国内中小企業の過半数 ( 約65% )で、

( 少子高齢化・経済不況・コロナ禍による先行き不透明感などから )、

慢性的に
後継者が不足しており、

黒字倒産など
深刻な状況もうまれているからです。

( 出典 : 帝国データバンク「全国・後継者不在企業動向調査(2019)」)



なおこれは、単に、
個々の企業の存続だけに限った話ではないでしょう。

商品のご購入に際して、お客さまが、

 「この
個人商店から買って、大丈夫かな?」

と思われることが、きっと増えてくるでしょう。


「 将来にわたって、
継続的なメンテナンスやアフターサービスが必要な商品 」

の場合、そうした
ご心配はとくに強いはずで、

それはもちろん、
ピアノなど高級楽器類にもあてはまります。


また、ほかにも
該当する業界は多いので企業間取引にも影響してくるでしょうし、

この後継者不足の問題は、

実に
中小企業が99.7%を占める( 出典 : 「 経済センサス 」平成28年 )

わが国では、
社会全体にとって、

雇用、経済の動き、社会の安定性
などの大きな問題へ直接つながっていく、

重要なドミノの1枚だと思っています。





ただ、ここでは、
バロックへのお尋ねにつき、

うちの事情を申し上げますと、

次代
は一応決まっています。



わたしたちの代
では、修業生活は厳しくて、

部材運びから始まり、掃除、工具・機械の手入れ、仕上がりの見届けと、

結局、毛布をもって工場で寝泊りしていました。


生半可な気持ちでは続かずに終わるので、

‥‥まじめな子だが、平成生まれに務まるかな?

と、長く反対していましたが、

ピアノの本場で勉強してくると、ドイツへ行きました。


コロナ渦で長く会えていませんが、

国立のピアノ技術学校に通いつつ、工場の研修生として、なんとかやっているようです。

( やっぱり、就業は6:00A.M みたいですね、早い )。



修理が好きな技術者
に育ってくれるといいな、と思っています。



‥‥それでは、こんなお答えで、よろしかったでしょうか。

また、ぜひお便りをください。




お疲れさまでした!



食材イメージ
さて、ここまでお読みくださって、

ありがとうございました!


いや~、ほんとに長かったでしょう?



実際の時の経過も、長かったですよ。


( 初期の手書き → ワープロ → PCの進化です )。



うつしていて、ほかにもたくさん、お客さま方のお顔が浮かびました。



すてきなシルクハットをかぷって現れたぼうや

( 大切なピアノを選ぶにあたり、
敬愛するF・ショパンへのオマージュだそうです )や、
泥まみれの長靴と作業着で駆け付けられた方( 農繁期で、収穫の合間だったそうです )、

もう、思い出はいっぱい‥‥。



お客さまお一人おひとり、素晴らしい方ばかりで、
バロックは、とても幸せな店です。


いつも、本当に、ありがとうございます!



それでは、音楽が、いつでも、「 音の楽しさ 」でありますように。

そして、あなたがお幸せでありますように。

                                       

バロック店主 金子 欣久